2005年4月、ピラミッド式栄養構成図が13年ぶりに米国政府によって修正されました。
ピラミッドの食物構成図は日本でもおなじみですが、今回米国政府が修正したピラミッドは、
今までの横方向ではなく、縦に構成が分かれています。　果たして以前のガイドラインと
大きく変ったのでしょうか？

専門家の意見では、以前のピラミッド表と本質的には変りなく、変ったのはより詳細に表記
されている点だそうです。　
USDAによって製作されたこの新しいピラミッドは、12種類の異なったパターンが用意され、
各々の1日のカロリー消費量により、どれが自分に合っているタイプなのかを選択する事
になっていします。
因みに12パターン中、どれが自分に合っているのかは、英語のUSDAサイトで情報入力
すれば判明するようなっています。
本誌では、それら12種類のパターンを紹介しませんが、一体どいう内容のものなのかを
説明したいと思います。

【新しく追加された項目】
今回修正されたピラミッドの特徴としては、階段状のピラミッドを上がる人の絵が追加されて
いる点です。　これは賢い食事をするだけでなく、適切な運動が必要不可欠である事を強調
しているのです。
つまり、｢食事法や栄養学だけでは健康なライフスタイルや肉体は手に入らない｣というメッ
セージを政府は国民に伝えたいのです。

現在アメリカでは、成人者の3人に1人が肥満を患い、10代では5人に1人が肥満です。
この深刻な背景に、何とか健全な食事法と運動を国民に定着させたいという意図が、新しい
ピラミッド図に込められています。

【より詳細に】
以前のピラミッド図では、何を食べるべきという方向性は理解できても、具体的な内容と量
が一切分かりませんでした。　 その部分を明確にし、実生活で実践しやすい様に、改良され
たのです。
｢例えば以前のピラミッド図では、全粒穀物を食べるべきと聞いて、沢山の白食パンや白米や
パスタを食べながら、正しい食事法をしていると誤解している人が沢山いました。｣と、ニュー
ヨーク医学大学で栄養学を教えるサマンサ・ヘラーさんは言います。

【批判の声も】
新しいピラミッド図を要約すると、｢フルーツ、野菜、非処理穀物（玄米など）、低脂肪乳製品、
低脂肪肉、豆類を沢山食べるべきで、逆に食べ過ぎないようにすべきは、処理済穀物（白食パン、
白米、パスタ、麺類など）牛乳、チーズ、ハンバーガー、ソーダ等という事になります｣と、栄養学
の専門家は述べる一方、｢そんな食生活を現実の生活に適応するのは、ほぼ不可能だ｣と、新しい
ピラミッド図を否定する専門家が沢山いるのも事実です。

｢お父さんの夕食は、メインのおかずとして肉か魚がお皿に乗り、その脇におまけの様に野菜が
少量添えられ、 隣にでんぷん質のマッシュドポテトにバターがたっぷり含まれた様なものが
出され、更にバスケットカゴにパンとバターが用意されているのなら、USDAはそんな食事はダメ
と評価します。　もっとお皿はカラフルな紫色のナスビや濃い緑色したほうれん草などの葉っぱ
類や、オレンジ色したカボチャ等が、バターを一切使わずに調理して出され、隣に小量の肉か
お魚を添えれば理想的となります。　それだけでなく、塩分を控え、砂糖を使ったドリンクを避け、
穀物は、全粒のものを食べ、お酒は少量か飲まない、油は健康的な油を摂り、1日運動を30分
しなくてはなりません ｣ と、栄養士のアネット・ディクソンさんは、メディカル誌で述べ、｢健全な
食事法をするべきですが、余りにも現実的でない設定は、より人々を挫折に仕向けるだけ｣とも
アネットさんは言います。

では、具体的なそれぞれの項目について、次ぎのページで解説しましょう。

　　　次ぎのページ

1　2