他にはカメラでユーザーを撮影し、ビデオゲーム上に現れた自身が仮想の野球をプレーしたり、エアギターをプレーしたりするものもあります。
更にはコアトレーニングとし、ビデオゲームでユーザーが立ち上がってコントロールを動かす事で、お腹の筋肉を鍛えるというものもあります。 |
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子供達は5分このマシーンでプレーしたかと思うと、また次ぎのマシーンで5分プレーするといった具合。
殆どの子供達は必死にゲームに挑戦している時は集中しているものの、直ぐに他のものを見付けようと別のマシーンに移るか、友達と組んでプレーをします。
「もう、難しい!」と洩らすのは、シュミレーションゲームをプレーしていた女の子です。
汗を掻きながらプレーする幾らかの子供も居れば、ビデオスクリーンと合体したエアロバイクの様に、ビデオに気をとられ、ペダルを漕ぐのをおろそかにする子もいます。
ビデオゲーム会社の意見が正しいのなら、これらマシーンこそ我々が未来のジムで汗を流す器具になっているでしょう。
10代以下のゲームコントロールに触れて育った子供達にとって、エクサゲームは違和感ないでしょう。
しかしより洗練されたテクノロジー機器が市場に出回るに連れ、子供の為のエクササイズ市場以上のマーケットに移行しつつあります。
幾らかの機器は、高級スポーツクラブやYMCAやリハビリ施設やスポーツトレーニングセンターにも導入され始めています。
ここ2,400平方メートルのレッドランドジムでは、ゲームは脇役ではなくメインエクササイズとし、大人と子供が共にエクササイズに励めるのを狙っています。
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「もし参加者が望むなら、これらエクサゲームを大人と子供が一緒に楽しむ事ができます」と話すのは、レッドランドジムの共同経営者の1人であるジョエル・ピーターソン氏です。
ピーターソン氏は元弁護士で、「運動は楽しくなくては」を信仰する1人で、弁護士業を辞めてまで施設の最高経営執行者に就きました。
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他のエクサゲーム信奉者のように、エクササイズとエンターテイメントの融合こそ、(子供だけの為でない)未来の主流になると彼は考えます。
ゲームを最も盛んにプレーする世代が30代や40代であるのを考慮しても、エクサゲームがこれら世代の興味を惹くだろうという推測は、決して行き過ぎた考えではないでしょう。
「テクノロジーがどんどん進化していけば、エクサゲームこそ世界の主流となるだろう」と話すのは、アイオワ州立大学のヘルス&ヒューマン・パフォーマンス局で助教授を務める
グレッグ・ウェルク氏です。
ウェルク氏は、「運動と娯楽との境目が益々無くなるでしょう」と続けます。
2006年の小児科ジャーナル誌に掲載された調査結果によると、体を動かしてプレーするビデオゲームの場合、通常のテレビの前に座ってプレーするゲームの2倍のカロリー消費量が子供達を対象にした実験で明らかになっています。
(飽きやすい)子供達にとって有益なエクササイズなら、フィットネスに勤しむ年配者にもアピールがあるだろうと、幾らかのジムオーナー達は考えます。
○体育の授業より楽しい
エクサーテイメント・ゾーンで横型エアロバイクを漕ぐエブリアナ・ギテン(9歳)ちゃんは、今年の1月以来ジムに通っているそうです。 彼女にとって、エクサゲームは学校の体育の授業より楽しいそうです。
「ここなら違った事ができるから。 たとえば“トレーザー”」と、サイバー・トレーザーを指差して話すエブリアナ。 |
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サイバー・トレーザー:垂直跳び等、体の動きを捉えるビデオマシーン
ポッコリお腹が凹んだだけでなく、服が体に合うようになったエブリアナ。 「何か楽しんでるって感じで、エクササイズをやっているとは感じないの」と彼女は言います。
同じく4ヶ月エクサーテイメント・ゾーンに通う9歳のクリスチャン・ハイグ君も同様に感じるそうです。
「ここには楽しい事が一杯あるんだ。 友達に合ったり、新しい事にチャレンジしたり」と話すクリスチャン君。
既にダンス・ダンス・レボリューション(プロの様にステップをミスせずプレーするクリスチャン君)で汗が滲む彼は、「体重が減ったし、筋肉も付いてきた」と、息を上げながら話します。
しかしエクサゲームの可能性は、大人には売込み難いと度々証明されています。
ジムでは子供と一緒に両親も入会書にサインをするように勧めますが、なかなか難しいそうです。
「たぶん新しいコンセプトだけに、子供の為のジムだと考えてしまうのでしょう。 我々はこれら固定概念を除くよう努めています」とピーターソン氏は話します。
共同経営者であり、最高責任者でもあるアーニー・メディナ氏は、「普通のフィットネスクラブで飽きてしまう人」にアピールするだろうと考えます。 「ココに居るとヘルスクラブというより、(大人も子供も居る)まるでアーケードに居るかのように感じる」と話します。
しかし一般のジムでは、(有酸素運動マシーンには既にテレビやMP3プレーヤーなどを組み込んだ機種が導入されていますが)エクサゲームに移行したがらない傾向にあります。
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その理由は、殆どのエクサゲームマシーンはプレーするのが複雑であったり、Xボックスなどのテレビゲームに親しんだ事の無い人には馴染みにくい為です。 又購入額も高く、場所を広く必要とします。
それ加え、人ごみの多いジムで(たった一人)、ビデオスクリーンの前で苦闘する自分の姿を晒す事に抵抗を感じる人も少なくありません。
「初ものには当然ためらいがあります」と話すのは、チェーン展開をするバリー・トータルフィットネスの広報担当であるマット・メッシンジャー氏です。 エクサゲームは子供向けエクササイズであり、充分な運動ができないとみなされ、大人は試さないだろうと彼は述べます。
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「“楽しい”という利点が必ずしも魅力的だと見なされていません。 しかしそう見なされるべきなのです。 それはより多くの人々をのめり込ませ、運動を“義務的なもの”と考えさせないようにしてくれるからです」と続けます。
チェーン店では常に新しい器具(エクサゲームも含め)の導入を検討してはいます。 今のところ大人向けではありませんが、幾つかのバリークラブのチェーン店ではダンスダンス・レボリューションをキッズエリアに設けています。
ビデオと融合したエアロバイクは、その中間に位置し、それなりの評価を得ています。
北部カリフォルニア州、オレゴン州、ネバダ州で高級フィットネスチェーン店を展開する“クラブスポーツ”では、エクスプレッソ・フィットネスバイクを2年半提供してきました。
「クラブメンバーは、最初試みるのがおっくうでした」と語るのは、カリフォルニアを基盤とする親会社のレジャー・スポーツ社で副社長を務めるラルフ・ラジス氏です。 「しかし、メンバーは序々に慣れてきました」と続けます。
ピークタイムでは、殆どのエアロバイク(ビデオスクリーンが合体している)は満員です。
エクサゲームは未来の可能性がるとラジス氏は信じますが、それでも殆どの人は好きな番組を見たり、iPodを楽しむ傾向にあるだろうと考えます。 「むしろこの傾向こそ主流になるでしょう。 殆どの人は、このエリアで多様性を求める事になるでしょう」と続けます。
ウェルク氏はゲームが気を散らす事になるのか定かではありません。
「この手のアプローチの問題点は、トレンドとして先行し過ぎてしまう点です。 しばらくすると、これらマシーンは忘れ去られるかもしれません。
エクササイズをコンスタントに励む人々は、楽しみをその中に見つけます。 彼等は自身の内側から動機付けられており、ゲームの様に外部から動機を得てエクササイズをしているのではありません。
ゲームはやる気の無い人を、運動させる助けになるかもしれません。 しかし究極のゴールとは、ゲームに溺れるのではなく、エクササイズの目的を明確に把握する事です」と話します。
○全ての年齢の為に
あるメーカーは、大人にも子供にも受ける新しいマシーンに賭けています。 3月のフィットネス展示会で紹介された、滑らかで洗練されたデザインの“モティヴァトリックス
MX9”は、タッチパッドでゲームや一連のフィットネスができます。
値段は高級トレッドミルと同じ程度の7,900ドル(約96万円)。
「運動をしない人を運動する人に変えてしまうには、彼等が好きな事を見つける事が大事です」と話すのは、ラスベガスを拠点とするモティヴァトリックスでフィットネスディレクターを務めるパリッシ・グラウマン氏です。
その好きな事とは、エンターテイメントの世界にあると彼は考えます。 しかし子供達だけを対象にしたマーケットにリミットしたくないとも会社は考えます。
「我々は20代から30代のユーザーを狙っています。 これら世代こそ、ボディをフィットしたいと考えていますから」と彼は話します。 ■ |
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