成長ホルモンは興味深いという表現は、あたかもピカソの絵を見て面白いというようなものです。 今迄成長ホルモン剤を筋肉増強剤として使用する事に、沢山の議論が繰り返さえれました。 成長ホルモンを使った事の有る競技者は揃って、筋肉増強、パフォーマンス向上、そして若返り効果を主張します。 しかしFDA(米医薬食品管理局)は沢山の動物実験で証明された事実にも関らず、未だもってその効果を否定し、一般人には必要性が無いと主張します。 今現在FDAが認める成長ホルモン剤の使用目的は、肝臓移植をした子供や、成長ホルモンの分泌が先天的に不足している為、体の成長が阻まれる子供達に使用する事のみです。 成長ホルモンは脳下垂体から分泌され、インシュリンのようにたんぱく質で出来ています。 分泌されるのは眠りに入って間もなく、ほんの少しの間だけです。 その分泌された成長ホルモンは数分間体内を巡った後、肝臓に取り込まれソマトメディック-Cというもう一つの種類の成長ホルモンに変換されます。 人は思春期に体が大きく成長しますが、この時期に成長ホルモンが最も沢山分泌されます。 それ故”成長ホルモン”と呼ばれるのです。
この成長ホルモンは20歳を過ぎると10年間に14%の割で徐々に分泌量が減り始めます。 そして60歳にもなると、75%減も決して珍しくは有りません。 この様に成長ホルモンの分泌減少と老化には、直接深い関係が有るのです。 事実成長ホルモンを投与し続ければ、老化を防ぐ事は可能なのです。 アメリカン・メディカル・ジャーナル誌(Journal of
the American Medical Association )に掲載された記事によると、成長ホルモン療法は、免疫力を向上する効果が有ると報告されています。 1991年、オーストリアに有るInnsbruck
Medical 大学のクリスチャン・ウィ−ダーマン氏率いるグループが、成長ホルモン療法はバクテリアの感染を防ぐ免疫細胞の能力を高めるという研究結果を発表しました。 研究ではアレルギーや感染から来る病気が、回復へと向かった事を確認。 免疫力低下から来る感染をあまり心配しなくて良い程になったそうです。 この理論から来ると、癌も免疫力を高める事で予防するが出来るという事になります。 確かに成長ホルモンが、癌の進行を促進するかもしれないという心配は有りますが、今のところそれが実際に確認された報告例は有りません。 New England Journal of Medicine(ニューイングランド医薬ジャーナル誌)によると、The U.S. National Institute of Aging(アメリカ国立老化研究所)が成長ホルモンとDHEAと男性ホルモンを同時に投与すると、老化現象である筋肉や骨、体脂肪、皮膚、そして神経系の衰弱化を逆行させる、つまり若返り効果が有る事を、早期段階ではあるが認めています。 この事実は世界トップ・スポーツ競技者が随分前から知っていた事です。 拒絶する医者達 |