奇跡の若返り薬成長ホルモンの有効性
      
〜前回からの続き〜

                                                                              2003年4月号

 

 

資料提供: ジョン・ロマノ
翻訳編集: 
S&F MAGAZINE

ここまで言うと、恐らく成長ホルモンは実際のところベネフィットより有害性の方がかなり大きいのでは?と思うかもしれませんが、皮肉にも人工成長ホルモン剤の生産量は年々増え続け、今ではFDAが許可した使用法に適応される需要をはるかに上回っています。

某製薬会社の報告では、現在成長ホルモン療法(年間費用およそ日本円で220万円)を希望する子供の数は、年間20,000人と言われます。 これは年間40億円マーケットに値するのですが、某製薬会社はその5倍以上の215億円の年間総売上を1998年に達成しており、同じような製薬会社は他にまだ4つあると言います。 いくら小人の為だけの治療とは言え、そう世界中に沢山居るわけでは有りません。 にも関らず製薬会社がどんどん造り続けるという事は、小人の治療以外の使用があるからでは?

医者は合法で覚醒作用の無い薬で有れば、自由に処方箋を本人の判断で書く事が出来ます。 つまり自分の患者には成長ホルモンの投与が相応しいと理屈をコネれば、たとえトラック一杯分の成長ホルモンを患者に購入させてもFDAは何一つ文句を言わないのです。 
でも私の意見では、一般に医者は患者から理屈を説得されるのを嫌がり、又ペーパー・ワークも大嫌いのようです。 ましてや健康的なスポーツマンから成長ホルモンの有効性を説かれ、処方を頼まれたのなら尚更の事です。 又実のところ、アメリカの某製薬会社2社は、成長ホルモン剤の使用を発育不足の子供にのみ使用しなさいという規定を、自社製品を購入する医者に課しているのです(それでも年間総売上高が矛盾する程額が大きい)。 
規定を自社製品に課すのは、会社のPRに効果があるかも知れませんが、実際成長ホルモン剤の生産による利益額は、天文学的数字という目がくらむほどオイシイ為、製薬会社は”売れるだけ売りたい!”というのが本音です。 生産方法もインシュリンと全く同じですが、10 IU量のインシュリンが10ドル(日本円で1,100円程)で売れるのに対し、成長ホルモンは同じ量で300ドル(日本円で3万3千円程)で売れるのです。 もし製薬会社がインシュリンから利益を得ているのなら、成長ホルモンがどれ程大きな利益を会社にもたらすのか想像してみて下さい。

或る製薬会社は、家でも簡単に投与できる液状タイプの成長ホルモン剤の認可をFDAから取得しました。 丁度インシュリンが家庭でも打てるようにです。 これは近年成長ホルモン剤の有効性を立証した研究報告が沢山出回るようになり、必然的に大きくなった需要に対応したものです。 
ひどい火傷や手術後の患者に投与するのは最近普及しており、他にはエイズ患者にも投与するようになっています。 しかしこれらを考慮に入れても、近年の成長ホルモン剤の巨額の売上高を説明する事は不可能です。

成長ホルモンが体の細胞を再生し、皮膚を柔らかくし、脂肪を落とし、精力を強くする事について、否定する研究報告は未だ有りません。 
良く知られている1990年のウイスコシン・メディカル・カレッジで行われたダニエル・ルドマン博士率いるグループによる成長ホルモンの研究報告では、脂肪を落とし、筋肉を付け、皮膚を若返させる効果が年配者で確認されました。 そのルドマンの研究発表の後、メディアは成長ホルモンを”若返り薬”として大きく取り上げた結果、世界中で研究が始まり、メディカル誌は成長ホルモンの研究報告で溢れ返ったのでした。 その報告の中には、病気の感染を防いだり、ガンの治療にも効果が有るというものも有りました。 しかし自然老化現象や、老化から来る諸々の病気の予防に、成長ホルモンを投与するに値するのでしょうか?  保険会社の意見では”ノー”です。 もし保険無しで医療費を全て払っても構わないというので有れば、処方してくれる医者も居ます。 
確かに成長ホルモンの売上高は記録を更新し続けていますが、ある製薬会社の広報担当者が私にこう言いました。 「成長ホルモン療法も含め、若返りを唄う療法である以上私達の支持や太鼓判を得る事は有り得ません。 むしろその様な目的でなら、私共の製品を使ってもらうのは反対です」と。

以前FDAに成長ホルモン剤を使って若返り療法を行っているクリニックの名前を幾つか紹介して欲しいと尋ねた事が有るのですが、質問の解答を拒否し、代わり今後調べていきたいという返事が返ってきました。 しかしFDAは今迄充分調べるだけの時間は有った筈です。 
私が言いたいのは、某クリニックが最近2億円相当の成長ホルモンを購入している事が明るみに出ているという事です!

もし、老化は体機能を低下させる”病気”とみなすなら、成長ホルモン療法は適当と言えるのでは? 恐らくその様な考えは私達が生きている間、お医者さんは持ってくれないでしょう。 しかしだからと言って、スポーツ選手の成長ホルモン剤の使用を止める事は出来ないでしょう。 今やオリンピックレベルの競技者で有るなら、成長ホルモンを使用するのは常識になっています。 事実96年のアトランタ・オリンピックは、”成長ホルモン・オリンピック”と呼ばれた程幅広く使われていたのです。 とは言え成長ホルモンは現在オリンピックの禁止薬に含まれていません。 それにステロイド剤と比べても遥かに安全な上、比較的簡単に手に入るのです(アメリカ国内の医者からは無理ですが・・・)。  
私のメキシコにある家の近くの薬局に行けば、好きなだけ処方箋無しで、あらゆるメーカーの成長ホルモン剤を手にする事が出来ます。 ところ変ればこれほど簡単に手に入るのです。 おまけに数百ペソを追加で払えば、処方箋まで書いてくれます。 これなら米国内に入国する際、3ヶ月分以内の使用量であれば、税関を合法で潜り抜ける事が出来るのです(これは実際U.S Custom 米国税関で確認した事です)。 
あなたがもし真剣に老化という時計の針を逆に回したいと考えているのなら上の様な方法があります。 

結論
成長ホルモン剤は運動能力を向上し、若返りの効果が有ると言う有効性を裏付ける研究データは、幾ら報告されても充分と言われる事はないでしょう。 しかし医学界は一応に効果を認めています。 運動能力向上に関しては、ボディビルダーに始まり、オリンピック競技者(パワーリフター、競輪、陸上、水泳選手等)等が大量に使用している為、闇のマーケットが荒稼ぎしています。 これら競技者から、既に沢山の世界記録を樹立しているにも関らず、成長ホルモンの使用を今更辞める事を期待するのは無理でしょう。 しかしお年寄りに、質の高い老後を可能にする目的で成長ホルモンを使用するのは許されない事なのでしょうか? 

私が今まで調査したところ、少量の成長ホルモンの投与は高齢者の免疫力を高め、筋肉と骨を強くし、皮膚を若返らせ、精神状態も健全にする効果が有ります。 例えばニュー・イングランド医学誌(New England Journal of Medicine )に掲載された研究報告では、60代から80代の男性に体重1キロ辺り0.03ミリグラムの少量の成長ホルモンを週3回、6ヶ月に亘り投与したところ、骨の密度が上がり、体脂肪率の低下と同時に筋肉が増えたと報告されています。 被験者は何れも10〜20歳の肉体的若返りを体験したのです。 
あるお医者さんは、成長ホルモン剤を使用すると甲状腺ガンを招く可能性が有ると言うのですが、例えば患者が70歳だとして、成長ホルモン療法が原因で甲状腺ガンになるとしましょう。 それでも死ぬまで30年程かかるのですから、年が年だけに恐らく別の病気で死ぬ可能性の方が高いのですから、なぜためらう必用が有るのでしょうか?

成長ホルモンは人の寿命を延ばしたりする事は有りませんが、考えてもみて下さい。 人生80年生きるとして、40を過ぎる頃から顔のシワは勿論、足腰が弱り、内臓の調子も芳しくない、又精力も無くなる等は常識とされていますが、もし80歳で死ぬまで、若い身体をそのまま維持出来るとしたら・・・。

私は一般に医者は無知だと感じさせられます。 確かに僅かですが成長ホルモン療法を試す医者の数が増えてきているのは事実です。 しかしまだまだというのが現実です。 老化を”病気”と見なし、(たとえリスクが少なくとも)薬を投与しても良いものか?・・・というのがネックになっています。 いや、”病気”でなくては医者は薬を患者に投与してはいけないというのがネックです。 今後成長ホルモン療法の需要が高まるのは確かです。 誰とて死ぬまで若々しく人生を楽しみたいのですから。  

そう言えば若返りでふと思い出されるのが、かの一代で巨富を築いた松下幸之助が生前中に洩らした有名な言葉です。

                                                 ”全財産を捧げても良いから、若返りたい・・・” 

PAGE-1  PAGE-2

ヘルスサイトに戻る


Home