コップ1杯のビールが、老化を防ぐ?
1日コップ1杯のビールが、老化を防ぐという研究報告が、早期段階ではありますが報告されました。
ペンシルベニア研究所では、ビールの中に含まれる抗酸化剤が、心臓病や白内障を予防するのではと考えています。 一方カナダの研究所でも、糖尿病患者にありがちな白内障をビール中の抗酸化剤が予防するとみて、研究中です。  ネズミとカラスの実験では、糖尿病を似せて、血糖値を上げビールの抗酸化剤を投与したところ、何れも白内障の予防に役立ったそうです。 この抗酸化剤は、特に色の濃いビール中に沢山含有されているそうです。   現在動物実験が終わったところですが、人間に有効かは定かではありません。
(USA Today 18)

遺伝子を操作すれば寿命を延ばせる
コネクティカット大学(University of Connecticut Health Center)の研究で、遺伝子の染色体を操作する事で、小バエの寿命を2倍以上に延ばす事に成功しました。 実際研究では、平均して37日の寿命が70日に延び、長いものでは100日という例もあ
りました。
研究者達は、人間にも同じ寿命をコントロールする遺伝子が有るので、将来はクスリで寿命を延ばしたり、体重を減らせたりするのに役立てたいと話しています。     (USA Today, Dec 14, 2000)

私の父はだれ?
今日は、11月1日のUSA Todayに掲載されている、「私のお父さんは誰?」という記事を紹介したいと思います。
話の例としてあげられたビル・コードレイという35歳の男性は、10代の頃自分の父が余りにも自分に似ていない事に疑問を持ち、やがて母親が浮気をして自分が生まれたのでは?と考えます。 そして父が亡くなった数日後、彼の母親が人口受精で彼を身ごもったという事実を告白されるのです。
ビルの遺伝子上の父とは、1945年卒のユタ医学大学生のうちの1人なのです。 又、彼の母も、それ以上の事を知らないのです。 

過去何十年に亘り、人口授精は医学界の闇(やみ)の部分で、決して公の目に触れる事は有りませんでした。 そして今日でも殆どの両親は、人口受精を受けて授かった子供には、その事実を明かさないと言います。
1884年、フィラデルフィアのある医学大学で、不妊症に悩む亭主を持つ妻を、初めて人口授精で妊娠に成功した時、当の妻本人すら人口授精の事実について知らされなかったと言います。 その精子提供者とは、その大学で皆が認める最もルックスの良い男性であり、この事実につき決して口を開かないという宣誓をさせられます。   その後25年の歳月が流れ、その当時の研究生と称する者(精子提供者と推測されます)が名乗り出て、医学誌でこの実験を暴露するのです。 それは医学界が最も恐れ、長年隠し続けてきた闇の部分だけに、大きな衝撃を業界内外に走らせたのです。
この様に人口授精は、医学界でも闇の部分だけに、具体的に年間何名手術が施されているのか不明です。 一般にアメリカ国内で起用される年間の数字は、2万から3万人と言われています。

人口受精で授かった子に、事実を伝えるかどうかの意見は沢山分かれています。 例にあがったビル・コードレイ氏も、自分の父を確認する為10年に亘る調査を行ってきたのですが、やがて精神科医の助けもあり、調査を諦める事となります。 「結局調査は行き止まったままになった」と、ビルは言います。

事実を子供に伝えないのは、両親に対する不信感に繋がります。 その子はやがて、誰を信じれば良いのか?という困惑に陥るのです。 勿論両親は、人口授精の事実が一般に知れ渡れば、その子は周りから差別されるのを憂慮し、事実を子供から隠すのです。 又それは子供の自尊心を無くさない為を思っての心配りでもあるのです。
一方あらゆる面でオープンとされるスウェーデンでは、全体の11%は人口授精の事実を隠すというのに対し、59%は公開すると調査で報告されています。

現在スパームバンク(精子銀行)は、精子提供者の情報を詳しく提供しています。 そこには、家族の医療経歴からどの様な学歴であったのかまで説明されています。 精子銀行の中には、ビデオテープで精子提供者を紹介するところもあります。 他にはフェアファックス・クライヨバンク(Fairfax Cryobank)という精子銀行では、精子提供者の音楽や、色、食べ物や映画などの好みまで紹介してくれます。
現在迄、精子銀行は1度だけ訴えられたケースが有ります。 人口授精を受けて授かった子供が、精子提供者の持病である肝臓障害を遺伝で引き継いでしまったケースです。 その子は命すら危ぶまれる事になり、精子銀行は精子提供者の医療履歴を隠していたとし、訴えられたのです。 
今年8月、カリフォルニア州の最高裁判所は、「精子提供者は裁判で証言すべき」という下級裁判所での裁決に異議を唱えました。 

今後独身者やゲイカップルが増える中、人口授精の需要は増えると予想されます。 それだけに倫理的観念からも、人口授精のあり方に更なる議論が続くでしょう。

前立腺ガンを漢方薬が治療する
何と驚いた事に、現代の最先端医学を駆使し、悪戦苦闘してきた前立腺ガンを、中国の漢方薬がいとも簡単に治療する効果を最近研究で確認され、大きな話題と衝撃を医学界に走らせています。 
「末期である前立腺ガンを治療するのは不可能とされてきた現代医学に、漢方薬が治療できる等考える事すら不可能」と驚きを隠せないのは、コロンビア大学で泌尿器科学を務めるアーロン・カッツ博士です。  カッツ博士は、最近この漢方薬について研究実験を終えたところです。 研究は今月号の”泌尿器科学誌(Journal of Urology)で紹介されましたが、実験では69名の前立腺ガン患者にこの漢方薬を投与したところ、88%という高い率で、ガン腫瘍を成長させるもととなるタンパク質の生産を大き阻んだのです。 これと同じ結果は他の幾つもの研究で確認されています。 
この漢方薬は、処方箋無しで簡単に購入できるだけに、今後大きな需要が見込まれます。 しかし専門家は、未だに長期使用の問題も明らかになっていない事と、投与量が多過ぎると女性ホルモンが分泌され、その結果の副作用を憂慮しています。 今後の研究で、更にどの程度の投与量が適当で、どの患者に特に有効なのかを解明する見通しです。 因みにこの漢方薬は、8種類の薬草が配合され、PC SPESという名前で販売されています。
 (L.A Times October 21, 2000)



                                  

パーキンソン病治療に大きな進歩
パーキンソン病とは、最近ハリウッド映画俳優のマイケルJフォックスが不幸にもなってしまった”不治の病”とされてきたものです。 症状は振るえる手が止まらなかったりするものです。 ご存知モハメド・アリもパーキンソン病患者です。 現代の科学では、この病気の進行を遅らせる事が可能となっていますが、未だ治療には至っていません。

今回注目を浴びたのは、霊長類の猿を実験に、不治の病を遺伝子治療で症状を抑える事に成功したのです。
研究はスイスとアメリカの合同で行われました。 既に多くの関係学会や大学から大きな絶賛を浴びています。  その研究を行ったシカゴにあるRush Presbyterian-St. Luke's Medica Centerのコードワー博士とそのグループは、今回初めてパーキンソン病の直接の原因となる、脳を保護する物質(GDNF)の損失を防ぐ為、その進行を止める遺伝子を脳に注射するのを試みたのです。 結果はGDNFの損失がストップし、何れの猿も症状が殆どなくなったのです。   業界では大きな喝采を浴びる中、「猿で成功した例が、必ずしも人間に適応されるとは限らない」と注意を促しています。

                                 

音楽がアルツハイマー患者に有効?
アルツハイマーとは老人性痴呆症ですが、これら患者を看護する者にとっての苦労は如何にして患者に充分な栄養を与えるかです。というのはアルツハイマーを患う患者は度々食事や水を飲む事すら忘れがちになり、それが栄養失調等の原因に繋がるのです。
「もし、アルツハイマーを患う患者の栄養補給面を改善できれば、精神状態の悪化を遅らす事も出来るでしょう」と話すのは、ミシガン州立大学で栄養学を教えるマーサ・スタトンさんです。 そのスタトンさんによると、音楽がアルツハイマー療養に大きく貢献できるそうです。
この説を確かめる為、スタトンさん率いるグループが、12人のアルツハイマー患者を対象に実験をしました。 先ずそれぞれの患者の家族より患者が若かった頃好きだった音楽のジャンルを調べ、食事の際そのミュージックをかけてみるというものでした。 その結果平均してバックミュージックをかけていると、かけていない時に比べ20%多くカロリーを摂取する事が確認されたのです。 又それだけでなく、患者が社交的になったのも確認されました。   因みにこの研究結果は、水曜日に開催されたアメリカンダイエット協会の会議でスタトンさんにより報告されたものです。          (ワシントン ポスト October 18, 2000)

                                

コーヒーはパーキンソン病を予防する?
10月16日、第125回アメリカ神経学協会(American Nueroogica Association)の研究報告が、ボストンで開催されました。 その研究報告の中で、適度にコーヒーを飲む人は、パーキンソン病になる確率を半減させるとの報告が、ハーバード(公衆衛生学研究)校(Harvard School of Public Health)より発表されました。  研究は47,350人の男性と88,565人の女性を対象に、長期に亘るカフェイン消費による影響を調査したものでした。  その結果1日1〜3杯のコーヒー等のカフェインを含む飲み物を消費すると、パーキンソン病になる可能性を大きく下げる事が判明したそうです。
カフェインがパーキンソン病予防に有効との報告は、既に今年の初め、ハワイの研究所から出ていましたが、今回の研究報告は更に進めたもので、具体的にどのカフェインを含む飲み物が、男女それぞれの性別にどの様な影響を与えるかというものでした。
研究では女性は男性と異なり、1日コーヒーを3杯以上消費すると、その効果が半減すると言われています。  この研究報告は、既にパーキンソン病患者である者に、カフェインがどの様な影響を与えるのかという興味を抱かす結果となりました。 尚研究者の意見では、現時点ではこの説は未だ研究段階で、鵜呑みにすべきではないと警告しています。 又人によりカフェインに過剰反応する場合もあるので注意すべきとの事です。
(CBS News Oct 16, 2000)

うつ病は心臓病のもと
うつ病気味の人は、そうでない方より心臓病になりやすいと、火曜日に発行されたCirculation(循環)誌の中で研究報告が有りました。
 研究は6年間に亘り、65歳以上の今迄心臓病を患った事が無い方を対象に行われました。 その結果明らかになったのは、うつ病気味の方は、40%以上そうでない方より心臓病になりやすい事が判明しました。   うつ病気味とは、孤独や心配性からくる睡眠不足や心配性等があげられますが、それら原因はタバコや運動不足などが原因の一部でもあると指摘されています。              (USA Today Oct 10,2000)

FDAベンディクションを解禁
現在米国では、一度販売禁止になった薬が再度注目を浴びています。 その薬は、ベンディクティン(Bendictin)呼ばれ、妊娠女性の不快(ムカツキ、吐き気等)を緩和するものとして1956年から発売開始されていたものです。   ところが70年代に、この薬は新生児に障害を与えるという訴訟が上がります。 その後長期に亘る訴訟沙汰で高額な弁護士料に採算が合わないとの理由で、1983年メーカーはこの薬の製造をストップするのです。  そして昨年FDAは、再度この薬の有効性と危険性を検証します。 その結果、訴えられた様な問題はこの薬には無いと判断し、カナダで販売の許可を認めたのです。
統計によると、女性が妊娠中に経験する不快は、ムカツキや吐き気が全体の80%で、およそ1%は医者の監視が必要となる非常にキケンな症状です。   専門家によると、未だ妊娠中の不快理由は、科学的に明かになっていないそうです。


 

次世代の歯の矯正ブリッジ: インビザライン(Invisalign)
過去1世紀に亘る歯の矯正法に大きな変化が訪れようとしています。
現在137億円を合同出資し、シリコンバレー(アメリカハイテク工業地域)で開発されたインビザラインなる歯の矯正法は、今迄の様な目に見える鉄のワイヤーによるブリッジでなく、コンピュータ3Dでデザインされた透明なマウスピースの様なもので、食事や歯を磨く時は取りはずす事が可能です。 そのマウスピースは、段階的に20もの型が用意されており、徐々に歯並びが良くなる迄3週間くらいかけて付け替えて行くものだそうです。
  この新しい方法は、諦めていた大人の方に有効とされます。 
料金は割高で、今迄のワイヤーによるブリッジより30〜50%高で、日本円で40〜50万円するそうです。
更に詳しく知りたい方は、下のURLにアクセスして下さい。 (USA Today Sep 25,2000)

                            
インシュリン不足は生殖能力をも低下させる?
コロン大学(University of Cologne)とヨーロッパ分子生物学研究所(European Molecular Biology Lboratory in Germany)との合同研究で、インシュリンが体内でどの様な役割をするのかを確認した研究報告が最近ありました。
研究では、インシュリン・リセプター(分泌されたインシュリンを受けつける窓口)を人工的に取り除いたネズミで実験が行われました。 現在迄インシュリンは体だけでなく、脳にも大きな影響を与える事で知られています。  この研究の結果明らかになったのは、今迄知られている血糖値を下げる事ができず、肥満にさせるという事実に加え、生殖能力をも低下させるという事でした。
現在米国内だけでも1500万人の人がタイプ2という糖尿病に悩まされています。 研究者の話では、今回の研究結果が、この病気を克服する手掛かりとなるそうです。 又、今後2年以内に打開策が見つかるでしょうとも話しています。 (USA Today Sep 21, 2000)

肥満解消の新しいテクニック
深刻な肥満を解決する手段として、ギャストリック・ペースメーカー(Gastric Pacemaker)というテクニックが正式にアメリカとヨーロッパで人体実験が開始された事を、第22回ヨーロッパ栄養学会(European Society of Parenteral and Enteral Nutrition)でボストンにあるタフト大学のスコット・シコラ教授が発表しました。
このギャストリック・ペースメーカーとは、元々脈拍に異常がある方に脈を整える手段とし、電磁パルスを心臓に流してリズムを整えるという器具でした。 そのパルスを心臓の代わりに胃袋に流す事で、満腹感を感じさせるというものです。
イタリアで最初試された実験では、目覚しい効果をあげているのですが、実際のところなぜ電磁パルスが満腹感を与えるのかメカニズムは未だ定かではないそうです。
現在アメリカとドイツ、オーストリア、イタリアで100名の肥満被験者を募集しています。 専門家の話しでは、既存の手術による食欲コントロール法より、この方法は遥かに安全と言われています。(Washington Post/Set 14)

男性用避妊薬
イギリスから革命的な男性用避妊薬が誕生しそうです。
今年の7月、エディンバーグ大学(Edingburgh University)の研究報告で、その男性用避妊薬の成功例が紹介されました。 研究では、60人のスコットランド人と中国人男性を対象に、ホルモン性新薬の有効性を試したのです。
投与は1日1錠を服用しますが、およそ6ヶ月後には被験者の精液には1つの精子も確認できなかったそうです。 又副作用も一切有りません。   しかし現時点で医者にこの新薬について尋ねるのは未だ早いでしょう。 この新薬が一般に販売されるようになるには、もっと大きなグループを対象に、長期に亘った実験が完了しなければ、FDA(米国医薬品食品管理局)の許可は降りません。 それには少なくとも今から5年はかかると言われています。 ですから今しばらくは、現在迄有効とされてきたパイプカットがチョイスとなるでしょう。
因みにパイプカットをする手術にかかる時間は、およそ20分位ですが、手術後すぐ精子が止まる訳ではありません。 通常手術後4ヶ月は、未だキケン状態です。 長い人では、13ヶ月もの間精子が確認されたという例もあります。  又パイプカットをすれば、永久的に子供が出来ないという保証は有りません。 実際妊娠は有り得るそうです。  又およそ2000人に1人以上の割で、手術を受けた患者は元に戻ると言われます。 (L.A Times Sep 13, 2000)