腎臓ガンへの有効策
  実験的に腎臓ガン患者の親族から輸血を患者に施したところ、腫瘍が大きく小さくなったそうです。 
 ”22年間腎臓ガンと戦ってきた中で、こんな目覚しい効果が現れたのは今回が初めてです”というのはシカゴ大学
 の医師であり、腎臓ガン協会の顧問を務めるニコラス・ボゲルザン医師(NIckolas Vogelzang)です。

  ガンを体内でやっつけてくれるのはTセルという免疫細胞ですが、腫瘍が有ると更に悪化させると言います。
 今回輸血を腎臓患者に試しましたが、輸血は今迄白血病など血液に絡むガン患者に施されて来ましたが、単なる
 ガン患者に輸血を施したのは初めてだそうです。 
  関係者は、現段階ではこの方法の有効性が定かでは無い為、十分な注意を払う必要があると述べています。

  年間の腎臓ガン患者の数は、米国内だけでも3万人と言われます。 ガンは早期発見でガン細胞が広がる前に
 取り除く事が出来るなら患者を救う事が出来ると言います。 しかし3万人中およそ1万1千人は、発見された時既に
 ガン細胞が肝臓から他の部分に広がっているそうです。 その後ガン細胞の勢いは増し、度々1年以内に患者の
 命を奪います。

  今後このテクニックをシカゴの10以上の研究所で、他の種類のガン患者にも有効なのか試しているそうです。
 ”実際このテクニックが有効かどうか知るには、動物実験でなく人体実験しかありません”と今回この実験の指揮を
 取る、National Heart,Lung and Blood Instituteのリチャード・チャイルド医師は言います。

  その先駆けとなった研究では、腎臓から他の器官に既にガン細胞が移転した19人の患者に親族の輸血を試した
 ところ、3人の腫瘍は完全に消え、7人の患者は腫瘍が半分に収縮し、2人は亡くなったと報告されています。
 腫瘍が半分に収縮した7名のうち、2名はその後再び腫瘍が大きくなるのが確認され、1名は他の免疫療法の助け
 もあり、回復に向かったと報告されています。

  この治療法の唯一の難点は、血液提供者を探すことです。 患者に有効な血液は、親族で4人に1人の割と言わ
 れます。 そして血液提供者は健康でなくてはなりません。             (USA Today Sep 13, 2000)



 マカデミアナッツは体にいいの?
  ホノルルに在るハワイ大学でデイビッド・カーブ博士(Dr.J.David Curd)率いるグループが最近面白い研究発表を
 しました。 それはマカデミアナッツが肥満に貢献するのか?という調査ですが、結論から言うと”そんな事はない”
 です。 
  研究は被験者を3つのグループに分けました。 1つ目はマカデミアナッツを多く含む食事、2つ目は脂肪が低めの
 食事(総カロリーの30%を脂肪で占める)、3つ目は典型的なアメリカ食(総カロリーの37%を脂肪が占める)という
 ものでした。 結果はマカデミアナッツを多く含む食事を摂っていたグループには血中のコレステロール値が他の
 グループより下がっているのが確認されました。
  ナッツ類は脂肪を沢山含む事から避けられがちですが、沢山の研究ではその健康への好影響を指摘して来たの
 も事実です。 食事から健康を期待するなら”多種に渡る食べ物から”というコンセプトは、研究を進めれば進める程
 明らかになるばかりです。


 

 EPOを検知する新しい技術
 EPOは一般に聞きなれない言葉かも知れませんが、オリンピックレベルのスポーツ選手の間では良く知られる薬
 です。 その本来の目的は、高山病と呼ばれる高度の高い地に行った場合の酸欠を防ぐ為のクスリとして1980年
 の後半に開発されたものでした。
  通常人は高度の高い場所に向かって登山をすると、空気中の酸素が希薄になるのを感知するやいなや、肝臓か
 らEPOという物質を分泌します。 このEPOは体内での赤血球の生産を促進します。 赤血球はご存知のように、
 酸素と結びつき体中に運んでくれるもので、多ければ多い程酸素を取り入れる効率が上がる訳です。
 しかし、多すぎると今度は血管を詰らせる事となります。 その為、EPOをクスリとして人工的に取った当初、血管を
 詰らせて亡くならせたケースも多々有りました。

  EPOが開発され、直ぐにスポーツ業界が飛び付いたのは言うまでも有りません。 特に持久力を競うマラソンや
 水泳tや自転車レースにはもってこいのクスリでした。 しかし使用開始当初は投与量など扱いが分からなかった
 為、結果的にスポーツ選手が死に至るケースも有りました。 事実ヨーロッパの競輪選手が使用開始後2年間に
 20人亡くなったのは、EPOがらみと報告されています。 その後安全なEPOの摂取量など扱いに慣れると、選手達
 の間で広く普及するようになりました。 このクスリの最大の利点は、使用していてもドラッグテスト(ドーピング)で
 検知されないという点でした。 しかしそれもコレまで! 今回フランコイス・ランス博士率いる研究グループが、
 人工のEPOと自然に体内で生産されたEPOの区別をつけるテクニックを開発したのです!
  残念ながら、未だ開発されたばかりのテクニックという事で、次ぎのオーストラリア・オリンピックとツアー・デ・
 フランス(Tour De France)では用いられないとの事ですが、競技者もそれを行う主催者も、”イタチゴッコ”はこれ
 からも続きそうです・・・


 糖尿病に負けるな!
  糖尿病を甘く見てはいけません。 これは心臓腎臓病の他、盲目にも繋がる深刻な持病の1つなのです。 専門
 家の話しでは今後10年の間に、糖尿病患者の数が今の2倍になると予測しています。 特に遺伝的にこの厄介な
 病気を受け継いだ人に、何か良いアドバイスは無いのでしょうか?

 とにかく動く
  ある研究で1万4千人の活動的なライフスタイルを過ごす男女(20歳〜69歳)を対象に、食べ物に対するインシュ
 リンの分泌反応を調べたところ、何れも敏感に反応し、分泌される事が解りました。 一般に高齢者やあまり体を
 使わない人の間に見られる問題として、このインシュリン反応が敏感でない場合が有ります。 この場合結果として
 高血圧、高血糖値、そして善玉コレステロール値が低くなったりします。 これら問題を解決する予防策として、1日
 20分歩くだけでも大きな違いを生むと専門家は述べています。 

 オメガ3脂肪酸
  この脂肪酸は冷たい海の魚に含まれます。 研究では血糖値と血圧を下げる事から、糖尿病患者に勧められる
 栄養素の1つです。 オメガ3脂肪酸が含まれる食べ物とは、サーモン、サバ、エビ、亜麻の種子等です。

 体脂肪を減らす
  インシュリンとはすい臓で造られるホルモンで、血糖値をコントロールする上で必要ですが、体脂肪が増えれば
 増える程、このインシュリン反応が食べ物に対し鈍くなると言われます。 その為にも体脂肪を貯めないようにする
 事が肝心です。
 例え3キロ体脂肪を落とすだけでも、食べ物に対するインシュリン反応は良くなるのです。

 繊維質をもっと摂る
  最近ニューイングランド医学誌(New England Journal of Medicine)で報告された研究によると、1日50グラムもの
 繊維質を糖尿病患者に摂らせたところ、血糖値とインシュリンレベルをコントロールする事が出来たと報告されて
 います。 繊維質は他にもコレステロール値を下げ、食欲も抑える効果が認められています。 食事には是非野菜
 や果物を意識的に加えたいものです。

 砂糖を控えよう
  砂糖が糖尿病を起こす直接の原因では有りませんが、砂糖を摂ることで結果的に総摂取カロリーが多くなり、これ
 が肥満の原因になり、又インシュリン反応を鈍らす事にも繋がります。 喉が乾いたら、砂糖を使ったソフトドリンクの
 代わりに水やお茶を選ぶ事から始めましょう!



 バイアグラよりスゴイもの!
  バイアグラの製造元は眠れぬ夜を過ごしているでしょう。 何とバイアグラより優れものが開発され、それは今
 FDAの許可待ち状態に有るのです。 そのスゴイモノとはユープライマ(Uprima)と言い、バイアグラはただ単に血液
 を男性器に送り込むのに対し、ユープライマは性的興奮を与えるのです。 それはバイアグラでは無かった事です。
 メカニズムは、脳内に有る興奮ホルモンのドパミンと似た作用を与えるからだそうです。 通常バイアグラは摂取し
 てから20分後に効くのに対し、ユープライマは舌の下に置いて血中に吸収される為、およそ10分という早さで反応が
 出ます。 更に特筆すべき点は、バイアグラは血圧に問題が有る男性にキケンとされていますが、ユープライマは
 血圧に直接人工的に作用するというものではないので比較的安全と言われます。 ユープライマは多目に投与すれ
 ば有効とされています。 使用者からの不満は、中には胃の調子がおかしくなると訴える人もいるとか。
  科学者は、バイアグラとユープライマのコンビが殆どの男性には有効では?と考えています。


 即効性のバイアグラ

  バイアグラは年配の男性に青春を取り戻す”奇跡の秘薬”と評価されるところでしょうが、意外とコレを上手く使う
 のは難しい。 もし予定している時より早目に取りすぎると、イザという時に役に立たない。 逆に遅過ぎても効き目
 が未だ出ないという事になります。 そうなると1錠10ドルもするバイアグラがムダとなります。 そんな中、バイアグ
 ラを製造しているファイザー製薬が即効性の有るバイアグラを開発中です。 それは喉から吸い込むというもので
 即効性が有ります。
 ファイザー製薬はいつこの製品を発売するのかコメントを避けていますが、ヨーロッパの特許を18ヶ月も前に申請し
 ているそうです。 これが販売されるようになると、又大きな話題を呼ぶでしょう。

                                 


 スポーツドリンクは買うに値する?
 ゲーターレードは元々フロリダ州のフットボールコーチが選手の喉の渇きをいやす為に開発したものです。
 1970年代初めて市場で販売されたスポーツドリンクは、砂糖が多く含まれていた為結果的に吸収スピードが遅く
 なっていました。 
  現在スポーツドリンクのメーカーは目もくらむような利益を出しており、これら企業は科学者等を専属で雇って最も
 効率の良いスポーツドリンクの開発をしています。 スポーツドリンクの主な役割は、エネルギーを供給し、同時に
 汗で失われた水分を補給するといものです。 多くの研究でスポーツドリンクを運動前、中、後、に飲むと、パフォー
 マンスを向上し、回復を早めると報告されています。                  (Sports Med 29:181-209,2000)

                                 

 更年期障害後の女性にウエイトトレーニングは有効
 多くの女性は自分の体のアチコチが下に引っ張られる現象に、やはり重力にはかなわないと悟り、世に五万と有る
 うまい話しに飛びつきますが、やがて”やはり確かな方法はジムに通うしかないんだ”という事に気ずきます。
 アメリカではフィットネスセンターやジムに通う人口は元々多く、昼間でもジムは人で混んでいますが、そこへもって
 最近では女性がウエイトトレーニングの効果に気ずき始めたせいかブームなっており、”こらッ、シュワちゃんそこ
 どけッ!”と言わんがばかりにウエイトルームは年配の熟女で溢れ返っています(本当に凄い現象です)。
  実際ウエイトトレーニングは安全である上、特に年配の女性への効果は特筆すべきものがあります。

 ”強い女性はいつまでも若い!(Strong Women Stay Young)”という本を執筆した事で有名な、マサ
 チューセッツのタフト栄養化学大学(Tufts University School of Nutrition Science and Policy in
 Medford)でフィジカル・フィットネス の主任を務めるミリアンE ネルソン教授(Mirian E. Nelson)は、
 ”ウエイトトレーニングに始まる負荷運動は、老化現象を逆行させる効果が有る”と述べます。 


  ネルソン教授率いるグループが、ウエイトトレーニングが女性の老化にどのような影響を与えるのか、タフト大学で
 実験した例が有ります。 被験者は何れも50代から70代の更年期障害を経験する20名の女性でした。
 実験で週2回ウエイトトレーニングを1年間続けたところ、なんと本人より15〜20歳若い女性の肉体と同じレベルに
 変っていた事が確認されたのです!

  ”ウエイトトレーニング等の負荷運動は、特に年配の女性に効果が有ります。 なぜなら老化現象として避けられ
 ない骨粗症を防ぎ、逆に骨を強くします。 その上筋肉も維持出来るのです”とネルソン教授は言います。
 女性は35歳を過ぎると、年間に160〜200グラムの筋肉を失い続けます。 そしてそれと同時に失った筋肉に替って
 脂肪が増えます。
  有酸素運動は、運動している時に目立って沢山のカロリーを消費するのに対し、ウエイトトレーニングで鍛えた
 筋肉は基礎代謝率をも上げる為、1日を通じ常に沢山のカロリーを消費し続ける結果となり、体重をコントロールする
 のが容易になるのです。

  ウエイトトレーニングを試した年配の女性は、体力が向上したのが共通して確認され、被験者は歩いたり野外
 活動に参加したり、スポーツを開始したりと、活発なライフスタイルを持つ様にもなりました。

  そして精神面でも大きな結果が現れました。 ウエイトトレーニングをすると、特にうつ病を防ぐ効果が男性に対して
 以上に効果的で、健全な気分にさせる事が確認されました。 又被験者は自分自身に対する自信や自尊心が、
 肉体が強く若々しくなるに比例して付いてきたのも特筆する効果でした。     (efit July 31,2000)


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