2001年8月号 

減量には有酸素運動?それとも筋トレ?
フィットネスのエキスパートは、有酸素運動を勧める一方でウエイト・トレーニングの重要性を説きます。 その理由は、減量中の筋肉の減少を防ぎ、同時に代謝率を下げない為です。
この度カンザス大学で有酸素グループとウエイトトレーニングのグループに分かれ、どちらが効率良く体脂肪を除去できるか比較するという興味深い実験がありました。 被験者は17名の太った中年男性で、1回45分のエクササイズを週4日行ってもらいました。
その結果体重が減ったのは、何と有酸素運動をしたグループだったのです!  しかし、ここに大きな落とし穴があったのです。 ウエイトトレーニングをしたグループは、体重変化が無かったものの、有酸素運動のグループと全く同じ量の体脂肪を落としていたのです。  更に詳しく調べると、有酸素運動のグループは体脂肪と同時に筋肉を無くしている事が判明したのです。  一方ウエイトのグループは、体脂肪が減ったと同時に筋肉が増えていた為体重の変化が無かったのです。
これら各々のグループの結末とは、有酸素運動のグループは実験を開始する前より筋肉を失った為、更にダイエットを厳しくしなければ体重が増えやすくなる(リバウンドしやすい)状態 になっていたという事です。  一方ウエイトのグループは、実験前より筋肉が増えている為、基礎代謝率が上がり、少々食事で羽目を外しても太りにくくなっているのです。
これら実験を見ても明らかな様に、有酸素運動をすればする程筋肉を失い、更なる厳しいダイエットが待ち構えています。
あなたの体が,美しく機能的で尚且つ好きなものが食べられるようになりたいのなら、ウエイトトレーニングを含む負荷運動無くして減量の成功はおろか、いつまで経っても食事制限の地獄から開放される事はないという事です。 (American College of Sports Medecine Annual Meeting, Abstract 2001)

クロミニウム・ピコリネイトは意味無い?
減量サプリとしてアメリカで一時期流行ったクロミニウムというミネラルは、筋肉の発達にも脂肪を燃焼するにも意味が無い事が新しい研究で報告されました。
クロミニウムは人体にとって必須ミネラルの1つで、インシュリンの役割を補助し、炭水化物や脂質やタンパク質を代謝するのに必要とされます。
研究はフラートン・カリフォルニア大学校で行われ、被験者には15人の女性ソフトボール選手に偽薬とクロミニウム500mgをそれぞれ与えました。 因みにこれら被験者は、ウエイトトレーニングもしていましたが、 6週間の実験結果肉体的な変化は全く確認されなかったとの
事です。  これはクロミニウムが意味ないという事でしょうか?
クロミニウムが糖尿病患者のインシュリン作用に役立ったり、人が健康に生きて行くのに必要な事は間違いありませんが、減量サプリとしてミラクルパワーは無いという事なのでしょうか。
   (J.Strength Cond. Res. 2001)

期待の新減量薬!
アメリカでは、去年だけでも30万人もの人の命が肥満が原因で亡くなっています。 医者やその筋の関係者は、国家的な緊急 事態と指摘しています。   またリバウンドは、減量を試みる人の何と95%が1年以内に経験しており、ほぼ全員が”大失敗”に終わっているという非常にショッキングな統計も出ています。 
正に「世界一桁外れに豊かな国」故の問題です。  そんな中、科学者達は、何とかこの国民的病気を治すべく、最も有効な減量薬を研究してきました。 そこでこの度期待が寄せられているのが、シブトラミン(Sibutramine)とオーリスタット(Orlistat)です。
シブトラミンは、食欲を抑え、オーリスタットは、脂肪の吸収を妨げるのです。 このコンビの薬を摂取した人の80%は、減量に大成功を収めているそうです。 又血中のコレステロールのレベルも改善したそうです。 しかし、何れもこの薬を使用している期間”だけ”の事です。 使用を止めれば、やはり元の状態に逆戻りだそうです。
現在も科学者達は、他の方法(代謝率を上げる、食欲抑制、脂肪吸収ブロック等)での薬を開発中と報告しています。
  (Int.J.Obesity 2001)

太り症を検知!
どうしてある人は沢山食べても太らないのに、ある人はほんの
少し食べただけでも太るのでしょう? 科学者達は、これら現象について、迷信ではなく実際に体質がそうさせていると言います。
ニューヨークに在るロックフェラー大学のサラ・レイボウィッツ博士のネズミによる研究では、太り易いネズミはトライグリセライドという脂肪細胞に蓄えられる物質が、食後血中に高いレベルで存在する事を確認しました。 同じ事が人間ではホルモンの分泌量で検知できるそうです。  近く人体実験を開始するそうです。            (Associated Press 20,2001)

緑色の刺青(いれずみ)には気を付けよう
最近の若者は、カッコイイという事で肩や腕などにタットゥーなる 刺青を入れたがりますが、気を付けるべき事があります。若気の至りで腕などに自分の彼氏や彼女の名前を彫り込んで、後で別れる派目になったら大変です。  最近では、レーザーを使う事で刺青を取り除く事ができると信じられていますが、実はそれは刺青の色によりけりなのです。
もしあなたの刺青に緑色が使われていたのなら、それを取り除くのは先ず不可能でしょう。 緑色の色素には、二酸化チタンが含まれており、それがレーザー光線に晒されると黒くなるのです。
どうしても刺青を入れたいというのなら、せめて緑色は避けましょう。    (Men's Health, June 2001)

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